読書感想@真保裕一『追伸』 [読書]
おひさしぶりねの、読書感想。
今回は、真保裕一さん。
織田裕二さん主演映画で話題になった『ホワイトアウト』
偽札作りから始まる詐欺師の騙しあいの『奪取』
誘拐の身代金は、入院患者の死だという『誘拐の果実』
と、スリリングな話を書いてくれる作家さんで、結構お気に入り。
今回の読んだのは『追伸』。
表紙は、ヨーロッパ風の綺麗な港風景の絵で、イイ感じ。
さて、
<出だしのあらすじ>
仕事の関係上、ギリシャで働く事となった夫と、
直前の交通事故を理由に、ギリシャへ動向しないままでいる妻。
その夫に、妻から手紙が届き、それは離婚を申し出る内容だった。
これに対して、納得出来ないと手紙を送る夫と、
それに対して、返答の手紙を送る妻。
この離婚の話には、交通事故や、自分の祖母の話が絡んでいて、
50年も前に、祖父と祖母が同じように手紙でやりとりしたものが出てくる。
物語は、この"手紙"の文章のみで構成されている。という一風変わった作品。
<ちょこっと感想> ネタバレなし。
最初に紹介した真保作品とは、全く異なった作風。
全編手紙という、変わった構成ながら、中だるみすることなく、最後まで話は進む。
犯人は誰?と言う点からは、ミステリー的な視点から見ると、
手紙を交わしていく中で、いろいろな事実がつぎつぎと明かされていって、興味深かった。
けれど、それ以上に、
祖父と祖母の手紙、夫と妻の手紙、を通じて、
それぞれの旦那側からの無償の愛、温かさを感じとれ、
また、旦那の愛に応えきれない女房側の気持ちが、ひしひしと伝わってきたよ。
そんな、おはなし。
ミステリー と言うよりも
話の中身に吸い込まれて行って、
夫の手紙の言葉に心打たれる、心温まる作品だった。
結末の事には、触れません・・・
んな訳で、
★★★☆ (5点満点の3.5点)
(☆☆☆☆☆)
試みとしては、すごく新鮮。ミステリーとしては、まぁ、こんなものかな。と。
最初にちょこっと触れた、偽札作りの話『奪取』は、マジお勧め。
すっごく面白かった印象があるよ。
こういった騙しあいの話って、好きで、
高木彬光の『白昼の死角』、五十嵐貴久の『Fake』も同じような感じの作品。
もちろん中身は違うけどね・・・
もう一回読み返してみて、感想文書こうかなぁ。。。
真保裕一さんの作品 私も好きです。
一番最初に読んだのは
【奇跡の人】だったかな。
最近では 図書館で【最愛】を借りました ・ω・)ノ
この作品も是非読んでみたいです。
早速図書館ノートに書き込みました!
by yuka (2008-06-02 13:53)
☆ yuka さま
私は『ホワイトアウト』が最初で、次に『奇跡の人』だったかな・・・
あまりにも、作品のカラーが異なっていて驚いた記憶があります。
そして、『奪取』の面白さにハマってしまいました。
『最愛』は最新作ですよね。
気になりますねぇ~。早く読んで見たいですね。
by まちびとん (2008-06-02 22:50)