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読書感想@桜庭一樹『私の男』 [読書]

今回は、直木賞受賞で話題の作品、桜庭一樹さんの『私の男』
私の男

私の男

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/10/30
  • メディア: 単行本
作者の方は、鳥取出身で、なんと女性。(我らが鳥取では、受賞時は 大盛り上がり だったよ)
男性っぽい名前だけどね・・作品読めば、語り口調等、女性の書いた物だとなんとなく確信できる。

さて、表紙・タイトルから なんとなく分かるとおり、この作品、エロいんです。
性的描写がどうこう、って言うのではなくって、心理的に伝わってくるエロさ なのである。

そんな本作品
(ネタバレなし感想です)

 

主人公の女性は、9歳のときに災害により、両親・家族を全て失い、
親戚であった 25歳の独身男性の下に 引き取られる。
彼は養父として、その娘を男手一つで育て上げ、15年が経つ。

物語は、そんな主人公の女性が24歳となった現在。
1人の男性と結婚式を挙げようとする前夜の場面から始まる。

それぞれの章は、時系列で並んでいて、章を進むごとに時代が遡っていく。
・現在  (主人公の女性)
・3年前  (結婚相手の男性)
・8年前  (養父)
・8年前  (主人公の女性)
・12年前 (ある女性)
・15年前 (主人公の女性)
 と、それぞれの章で、語り手が変わる。
語り手の目線が変わることにより、女性と養父の関係や、見方も若干変わってくる。
純愛なのか、偏愛なのか、禁断なのか・・・

最初の章で、”過去の罪”として隠してある事実が、章が進むにつれ次第に明らかになっていく。

と、こんな感じ。
重い内容のはずなのに、驚くほどあっさりした文章のため、淡々と物語りは進んでいく。
これが、著者のテクニックなのか?

直木賞受賞作品だからといって、万人受けするような作品でなく、読み手によって印象変わると思うよ。
男性・女性で感想異なると思うしね。

僕的には、ちょっと濃厚すぎて、ふぅ~(^^ゞ  だったけど、
僕より一足早く本作品を読んだ相方は、少しホロッとくる所もあって、面白かった。との感想。

実際、読んでみてくださいな。
香り立つ様な 匂いを感じる作品。

最後の章から、逆に遡って時系列順に読んでいっても、楽しめそう。
また違った印象になりそうだね。

映画化出来そうで、出来ないだろうなぁ・・・


そんな訳で、
 ★★★   (5点満点の3点)
(☆☆☆☆☆)  くらいかな・・・


タグ:桜庭一樹
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コメント 4

yuka

桜庭一樹さん 女性だったんだー!
すっかり勘違いですわ (^ω^;)
以前、三崎亜記さんも女性作家さんだと思ってたら
男性と発覚したときにも驚いちゃったんだけどね (`・ω・屮)屮

裏表紙に 作家さんの顔写真が無いと
勝手に(こんな顔だろうなー)と想像しちゃうよね (笑´ω`)
by yuka (2008-08-18 11:27) 

まちびとん

☆ yuka さま
判ります、判ります。その気持ち。
作品のイメージになんとなく重ねてしまいますね。
女性を主人公とした優しい文体の、北村薫さんが、男性 というのを知ったときは、おんなじように、驚きましたね。
想像って、膨らむんですよねぇ・・・勝手に (^^)
by まちびとん (2008-08-19 02:23) 

mbenten

私も初回読んだ時は テーマの近親相姦が重くて ふ~っ でしたが
どうも 気になって仕方がない本だったので再度読みました。

香り立つというのは上手い表現ですね、。
構成とか すごいですよね、 うまい作家だなあと・・(生意気ながら)
網走の流氷が舞台というのも小説がますます凄みがでますね、

最近1番ショックを受けた 好きな本です。


by mbenten (2008-08-25 10:01) 

まちびとん

☆ mbenten さま
ご訪問ありがとうございます。
内容重いんだけれど、気になって仕方ない ってのは同感ですね。
読書中は、どんどんページをめくっていました。
網走の流氷って、未体験なんですが、凄いんでしょうね・・・
ああいったシーンも、淡々と書かれていたので、不思議な感じでした。
by まちびとん (2008-08-27 00:41) 

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