読書感想@奥田英朗『サウスバウンド』 [読書]
今回は、奥田英朗さんの『サウスバウンド』
奥田さんと言えば、ヘンテコ精神科医 伊良部シリーズの『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』と有名なんだけど、それ以外にも、
『最悪』『邪魔』『真夜中のマーチ』のような、サスペンスもの。
『マドンナ』『ガール』とのような、軽めの小説。
が、今まで読んだもの。
その中で、面白かったのは、サスペンスもの。だったように覚えている。
さて、本作。
タイトルの『サウスバウンド』は、直訳すれば、"南を目指して" なんだけど・・・
元過激派(学生運動で伝説の闘士と呼ばれた)の父をもつ少年の成長の姿と書いた作品。
全共闘と言うのは、全く解らないんだけれど、時代背景は1980年代後半のようだ。
この父が型破りで、"学校には行かせない"だの、"修学旅行の積み立て金に疑惑がある"だの
"税金は払わない"だのと言って、次々と問題を起こして行く。
父は、全く働かないし、
小6の少年は、中学生から陰湿なイジメを受けていて困っているし、
姉は、父を毛嫌いし、家に帰ってこないし、
・・・と、家庭崩壊寸前となっている。
前半は、父親の暴れっぷりと、少年のイジメ問題に立ち向かって行く姿が、中心となっており
後半は、ひょんな事から、家族げ沖縄の西表島に手ぶらで引越して行く事から話が進む。
父親は、そこでもまた一騒動起こすんだけどね・・・
前半では、適当にしか見えなかった父親が、後半では、真っ当に見えてきた。
少年も、どんどん男らしくなっていく様だったしね。
作品中で何が言いたかったのか、解らなかったけど、
沖縄って、開放的で気持ち良さそうだなぁ~ってのと
人間として、生きたいように思うがまま、動いている。っていうスタンスに、若干の羨ましさを感じた。
家族の絆、自然の気持ちよさ、人と人との繋がり などなど、
殺風景となってしまいがちな、現代の生活に 忘れかけていた物を 呼び戻すような作品だった。
父の言動って、実際には ありえねぇ~ って感じなんだけどね・・・
点数としては、
★★★ (5点満点の3点)
(☆☆☆☆☆) くらいかな・・・
オンライン書店ビーケーワン
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ナントこの作品、昨年映画化されているんだね!!
役者さんは、父親 : 豊川悦司 、 母親 : 天海祐希 、少年 : 田辺修斗
なんだって。
知らなかったねぇ~。
僕の雰囲気では、父親は、ハウンドドッグの大友さん か 極端に、泉谷しげる さん。
母親は、大塚寧々かな。
それなりに楽しめた作品だったよ。
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