読書感想。東野圭吾『名探偵の掟』 [読書]
探偵ガリレオでさらに有名になった、東野圭吾さん。
本作は珍しい短編で、連作集となっている。
名探偵と警部のコンビがそれぞれの事件を推理、解決する話。
このコンビは、ところどころで、自分自身が小説上の登場人物であると意識しながら話をする。
って言うのが、おもしろい。
そこでは、変わった視点から物が見られていて、いろんな批判もされている。
代表的には
・密室殺人の意義とは?
・犯人当ては面白いのか?
・読者は犯人当てようと考えながら読んでいるのか?
・ダイイングメッセージの無意味さ
・時刻表トリックは意味あるのか?
・原作をドラマ化することへの批判
・バラバラ殺人、古典本格もの、首無し、無くなった凶器等々の批判
・主人公の警部や主人公が犯人ってありなのか?
と、いろんな事件に対して、作家や読者を批判しながら、一定の方向へと解決していく。
これを書いては、自分自身の首を絞めているのではないかぁ・・・
と思わせるほど、皮肉な作品。
一風変わった感じで楽しめた。というか、かなり笑えたよ。
ただ、短編は何だか物足りないね・・・
★★★☆☆(5点満点で3点)
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