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読書感想@佐藤多佳子『神様がくれた指』 [読書]

なんだか、おひさしぶりねの読書感想。
今回は、佐藤多佳子さんの『神様がくれた指』

神様がくれた指 (新潮文庫)

神様がくれた指 (新潮文庫)

  • 作者: 佐藤 多佳子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 文庫

神様がくれた指

神様がくれた指

  • 作者: 佐藤 多佳子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本

この作家さんに関しては、全く前提知識ゼロ。
ただ単純に、棚に並んでいた本の中で、パッと目を惹くタイトルと、
背表紙に書いてあった、あらすじに興味をもったため。
少し前なら、『ビビッと来た』とでも言うのか・・・

さて、そんなこの作品。
主人公は、プロのスリ と 女装の占い師の2人。

スリ の男は、スリで捕まった刑務所から出所後に家に帰る途中で、
同じスリをチームで行なう少年に出会い、そこで、腕を怪我してしまう。

もう1人、占い師のほうは、ギャンブル好きで家賃も払えない程。
家賃を払うために借りたお金を再びギャンブルで使ってしまう。

この占い師が、怪我をしていたスリの男を、助ける事によって2人の人生が交わり、走り始める。

スリの男は助けてくれたお礼にと 占い師の借金を払い、
そのお礼として、住む場所を提供することで、奇妙な同居生活が始まる。
スリの男は、自分を傷つけたスリのチームの行方を探し、
占い師は、タロット占いから非常に気になる存在の少女と出会う。

それ以外にも、プロのスリ集団や、人情味あふれる刑事。
幼馴染の病弱な美女。

こういった人々が上手く絡み合い、話はテンポ良く進んでいく。

登場人物は、どれも怪しげな人ばかりなんだけど、どれもが人情味にあふれていて、江戸っ子風。

スリの手法も何度となく出てくるんだけれども、普通なら許せないはずなのに、
スリの側の視点から見ているためか、なんだか普通に思えてしまう。

タイトルの「神様のくれた指」が示すのはそんな ”プロのスリの手”と ”占い師の手”
2人が、悩んだり苦しんだりしているなかで、口には出さないまでも助け合っていく場面、
彼らの心情が細やかに描かれていて、なんだか心温まる話だった。

内容的には、ありえねぇ~ って場面は多々あるけれどね・・・
後半に進むにつれ、テンポアップして行ったためか、雑にまとまってしまった感もある。

とはいえ、意外に楽しめた作品だったね。

そんな訳で、点数としては、
 ★★★☆   (5点満点の3.5点)
(☆☆☆☆☆)  くらいかな・・・

 


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