今回は、黒川博行さん。
この人、名前だけは知っていたんだけれど、なんとなく手が伸びなくって読んだことがなく、
今回の本が初めて読むもの。
この『煙霞』 (”えんか”と読むそうなんだ)
まず絵本ちっくな表紙に惹かれ本を手に取ったのがきっかけ。
帯を見ると、
「金塊100キロ、奪られたら奪り返せ! 悪党たちが駆け回るノンストップ騙しあい小説」
とあって、表紙のほのぼの感とは全く違った内容なんだけれど・・・面白そうだなぁ~ と思ったんだよね。
さてさて、この作品。
ネタばれない程度の紹介ですが、
私立女子高を私物化し私腹を肥やす理事長に対して、その学校の教師が理事長の不正の証拠をダシに自分たちの身分保障を訴える計画を練る。
そこで、美術講師と音楽教諭もその計画に参加し、理事長との交渉を無事終える。
が、その後理事長、その愛人は行方不明となり、この計画を誘った教師も何かを隠している様子。
実はこの身分保証の計画の裏には、帯にも書いてある通り、金塊を奪うような計画があった・・・
いろいろな人が絡み合い、お互いに騙し騙され・・・金塊が転々としていく。
さぁ、最後に笑うのは?
って感じの作品。
話のテンポもよく、ドンドンと場面が進んでいくため、あっと言う間に読めてしまった。
ただ、会話や動作の描写が多くって、場面や心境なんかの描写が少ないため、何がなんだかイメージが解りにくい箇所もあるんだよね。。
展開が強引な箇所もあったり・・・
今は誰の視点で見ているのか わからない事もあったりするため、文章が雑かな? とも思ってしまう。
とはいえ これは、ドラマにしたらかなり面白いのではないか!!
スピーディーでいて、金塊をめぐる騙しあい、ドタバタ劇は読んでいてハラハラする場面も沢山あるからね。
この人の作品もう一冊くらい読んでみようかなぁ#59131;