今一番売れている作家と言えば、赤川次郎・・・ではなくって、多分この人 東野圭吾。
昨年テレビドラマ化された「探偵ガリレオ」は、福山雅治さんが主人公になったと言うこともあって、さらに注目を集め、そして直木賞受賞の名作『容疑者Xの献身』も同じく福山さんの主演で映画化されヒットしたことは記憶に新しい。

そんな、探偵ガリレオシリーズの新作が発売された。
短編集の『ガリレオの苦悩』と、長編の『聖女の救済』なのである。
今回読んだのは、『ガリレオの苦悩』のほう。

ガリレオの苦悩

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/10/23
  • メディア: 単行本
こちらは、従来のガリレオシリーズである『探偵ガリレオ』『予知夢』の流れをくんだ 次なる短編集である。
ガリレオと呼ばれる大学助教授の天才物理学者が、学生時代の友人である刑事からの依頼で、不可思議な事件を科学の力をもって解決していく話。
この大学助教授、前作『容疑者Xの献身』で、警察との関わりのトラブルにより、今後一切警察の協力はしないと言ってしまうのだが、本作で 再び警察の協力をしているのである・・・

本作より、登場するのが女性刑事。
これは、テレビドラマに合わせたモノなのかどうかは意図はわからないが、完全にイメージは柴崎コウなのである。
ガリレオと呼ばれる助教授は当然のことながら、福山雅治さんのイメージで読み進んでしまうのだから、映像のイメージって不思議だよね。

5つの短編で、科学的、論理的に事件を解決する探偵ガリレオ。
今までの作品では、刑事が主人公となっていて、探偵ガリレオの方は影の主役となり事件を読み解いていく様な内容だったのだが、本作では探偵が心なしか前面に出ているように感じたね。

解決後は、へぇ~ と納得するものばかり。
科学って不思議だね。と感じる作品だった。


さて、この本の中で、助教授が 自分の位置から建物までの距離を測る描写があるんだ。

自分の腕を伸ばして、親指を立てる。
そして、親指の付け根から、親指の指先までの間に ちょうどその建物の1フロア分が入ったとする。
そんな時、
『親指の付け根から、指先までの長さは 約6cm、
 自分の目から腕を伸ばした指先までの長さは約70cm。
 建物の1フロアが約3mとするなら、ここから建物までの距離は約35mとなる。』
『算数の比例を使えば簡単な事』だと、さらっと言い切ってしまう。

おお~

そういえば、そんなこと昔の数学、物理で学んだ気がしますね。
数学も本当は、実際の生活の中で もっと有効に使えるんだと感じましたね。

今度、何かのときにこの距離を測る方法をさらっとカッコよく使ってみたいですね。