お久しぶりねの、読書感想。
今回は、新堂冬樹さん。
以前から、ちょこちょこ読んでいる作家さんで、人間の欲望のどす黒いところを書いた作品と、それとは対照的に純愛物を書いた作品と、全く対極となる作品を出している人である。
衝撃を受けたのは、ハードボイルド系作品で、マフィアの息子の復讐劇を描いた『悪の華』(タイトルがBUCK-TICKしてますが・・・)
信仰宗教の教祖の暴れっぷりを描いた『カリスマ』
この2つは、なかなかだった。
で、今回の『黒い太陽』
ちょっと前にドラマ化されたらしいけれど・・・見ていないっす。
本作の舞台は、キャバクラ。
本の帯には、『風俗界に激震!ここまで書かれると商売がやりにくい!』と書かれているほど。
主人公である青年が、父の入院費用を稼ぐ為に、キャバクラにバイトはじめる事から物語は始まる。
この中で、主人公が成長していって、風俗王と呼ばれ、彼がバイトしていた店をはじめとしていくつもの店を仕切る社長に認められるのが、前半。その後、その社長と対立していくのが、中盤~。
風俗業界をのし上がっていく様子がマンガちっくに描いてある。
個人的には、キャバクラって、ピンとこないんだけれど、キャバクラのシステムの説明から、どうやったら客が喜び、客の入りが増え、どうやったら女性スタッフ(キャバクラ嬢:キャストと呼ぶらしい)がついてくるのか、業界の色々な様子が詳しく書いてあって、興味深かった。
納得したのは、どんなに美人であっても、スタイルが良くっても、人気が出るわけでなく、客の話をうまく聞いて、なおかつ 自分の話が出来るキャストがナンバー1になれるって事。
キャバクラって、いやらしい(性的なサービスする)店ではなくって、女性との交流を楽しみ、恋愛する場所なんだそうで、女性から相手されなくなった男性が癒しを求める場所。
男性からしてみると、「惚れてまうやろ~」 ってシチュエーション。
飲み会の2次会なんかで行く、お姉ちゃんがいるスナックって呼ばれるお店とは、ちょっと違うみたいでした・・・(^^ゞ
新堂作品らしく、強引で、急な展開と、ありえないだろぉ~って突っ込みたくなるような偶然。仰々しい描写。体言止めの連発。これは、もう定番ですね。
それまでの、闇社会を描いた作品に比べると、毒も少ない内容だったが、結構楽しめた作品だった。
コレを読んでしまうと、飲み屋さんに行って料金払うのはいいけれど、スナックなんかの水商売のお店で、大量にお金落とすのって馬鹿らしくなってくるね。(ボクはほとんど行きませんが・・・)
勉強になりましたね。