今いちばんの売れっ子作家に違いない 東野圭吾さん。
その彼の、最新作『流星の絆』

流星の絆

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/03/05
  • メディア: 単行本

まず目に付くのは、本の帯の文句。

惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹。
「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」
14年後、彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった。

これが、あらすじと言っても、過言ではなく、それ以上のことを語っているのではないか?
ある意味言い過ぎなんじゃない?講談社さん・・・

さて、
<出だしのあらすじ>
流星群を見るために、夜中家を抜け出した三兄妹。
悪天で流星は見られず、家に帰ると、そこで洋食屋を営んでいる両親が殺されていた。
次男が、現場から立ち去る男の姿を目にするのだが、結局犯人は捕まらないまま14年が経過する。

そして、三兄妹はある詐欺に掛かり騙されてしまった事から、自分たちも詐欺を働くようになる。
そんな中、最後の標的に選んだ相手に近づいた時、両親の殺人事件の現場にいた人を見つけてしまい、物語は転がり始める・・・

いやぁ~先が気になってしまい、どんどん読み進んでしまって、あっと言う間に読み終えてしまったよ。
ドキドキハラハラしたり、ジーンとしたりと、波乱に満ちた展開だった。
この話の中でキーになるのは、兄妹の絆。
結果的にあっと言う結末だったり、その結末に対するフォローがあったりするんだけれど、
東野作品って、"犯人"とか、"結果" が最後なのではなくって、大切なのはあくまでも物語の過程。
なぜそうなったのか。とか、そこに至る過程 で読ませる作家なんだよね。
これが、巷にあふれる推理小説とは違うところ。
サスペンスだもんね。。

が、本作は東野作品としては、こじんまりしてしまっている印象。
『白夜行』ほど、スケールが大きくないと言うか・・・

とは言え、これだけの作品を書ける作家さんって、あまり知らない。
期待度が高いんだろうね。

両親への思いとか、兄弟のつながりとか、人としてのつながりとか、
忘れがちな思いを思い出させてくれる作品だった。

映画化でしょう。これは。。
間違いない!!(って、フリが古いね。)