読書感想@五十嵐貴久『贖い』 [読書]
読書感想の部。
秋の夜長になるので、読書時間が増えるんです。
最近ハマっている作家、五十嵐貴久さん。
『リカ』、『リターン』、『リバース』の3連続ホラーだけでなく、警察系の話も秀逸。
今回は『贖い』なる作品。
オープニングで事件勃発。
1日には、東京都で小学生が誘拐されて、切断された頭部が学校の校門に置かれる殺人事件。
翌2日には、埼玉県の山中で女子中学生の死体が発見される。
さらに翌3日には、愛知県のスーパーの駐車場から1歳児が行方不明になり、一週間後に駅のコインロッカーの中から死体で発見される。
話は、東京、埼玉、愛知と、パラパラと切り替わりながら警察目線でのみ話が進められていく。
ストーリーの冒頭から、犯人と思しき人は明らかになっており、ここにたどり着くまでの道程が精密に書かれているもの。捜査を行う各刑事のスタイルも独特で、個性的。
ただ、イメージとしては、犯人明確となっている中の、なぜ?どうやって?を探っていくコロンボ的な作品。
捜査が丁寧に描かれた作品でページをめくる手が止まらないかったな。
ストーリーの背景にあるのは、社会問題。
深いわ・・・
面白かったな。
あ、文庫版も発売中なのです。