読書感想。東野圭吾『ダイイング・アイ』 [読書]
新作出るたびに、書店の一番目立つ特等席をゲットする、東野圭吾さん。
本作は、現段階で最新作。
ただ、書き下ろし作品ではなく、初出は「小説宝石」の1998年頃のものの単行本化。
今さらになって、過去にお蔵入りした本の出版の意図は・・・
過去に埋もれた名作を発掘?
もしくは、
売れる作家の本だから?
さてさて、そんな本作品は、
出だしで行きなり、夫と二人きりの幸せな生活を送っていた女性が交通事故に巻き込まれ死亡してしまう。
次に登場する主人公のバーテンダーは、「嫌な事を忘れるには?」と聞いてくる客に出会い、
その帰りに、誰かに襲われ入院。
その後、主人公は、記憶の一部を喪失しており、一年前に交通死亡事故を起こしていたのが判る。
自分を襲った犯人は、先ほどのバーテンの客であるが、その後、死んでいるのがわかる。
事故に関して調べ始めると、関係者が怪しげな動きをはじめ、
恋人が、突然姿を消したり、怪しげな女性が姿を現したりと、いろいろな不可思議なことが・・・
と、今作品は謎解き と言うよりは ミステリーだね。
ただ、女性とのカラミのシーンの描写が結構エロちっくで、
東野さん、こんなこと書くんだぁ・・・と驚き。
そういえば、前作の『夜明けの街で』もそんな感じだったか?
東野作品としては珍しい気がするね。・・・と言うか、余分なシーンだね。
最後まで読むと、作品的にはホラーよりに感じたよ。
あのラストは・・・背筋が寒くなってしまうけれどね。
トリックというか、ネタは なるほどお と感心してしまった。実際はどうかとおもうけど・・・
スピード感があって、あっという間に読めた。
最近の東野作品では、事件後の被害者の立場・気持ち を書いた作品が多いなあと実感。
虚しさ というか やりきれなさ というか・・・
本人は忘れることが出来ないのに、周りは忘れてしまっている的な感じ。
今の世の中に何かを訴えかけているようだね。
★★★☆☆(5点満点で 3.5点)
コメント 0