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読書感想。山田風太郎『魔界転生』 [読書]

かなり久しぶりの、読書感想。
最近音楽漬けだったからねぇ。。。

で、山田風太郎さんの『魔界転生』
作品のタイトルだけ知ってて気になっていたんだけど、
青少年向けのファンタジーかと思って ナカナカ手に取らなかった本。

魔界転生〈上〉 (角川文庫)

魔界転生〈上〉 (角川文庫)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫
魔界転生〈下〉 (角川文庫)

魔界転生〈下〉 (角川文庫)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫
山田風太郎さんは『~忍法帖』のような本が沢山出ていて、作品は怪しげだけれど結構有名な人。

僕は、山田風太郎作品は本作が初体験。。。

舞台は江戸初期。
島原の乱の直後、島原城から逃げ出てきた3つの人影。
追手におわれる3人(男1人と女2人)。
男が2人の女を切ると、中から現れたのは、以前に死んだはずの 荒木又衛門 と
先ほど討ち取られたはずの 天草四郎。
そして、その3人は追手を倒し姿を消す。
その光景を眺めているのが、宮本武蔵。

・・・と、冒頭だけでも、なんとも怪しげな印象。

これが『魔界転生』と言う妖術で、死後再び同じ人間として同じ技をもったまま新たに再生できると言うもの。
そして、幕府を手に入れようと企む 徳川頼宣 と その妖術師が手を組み、
過去・現在の剣豪達を復活させ自分の手下にしてしまう。
転生するのは、
荒木又衛門・天草四郎・宮本武蔵・田宮坊太郎・宝蔵院胤舜・柳生如雲斎・柳生但馬守
と、有名は人たち。
・・・僕は最初の3人しか知らないけど、後の人も実在の人物なのか?有名な人のよう。

この秘法『魔界転生』は、生前に恨みや悔いを残したまま、なおも生への欲求を持つ人で、
愛しいと思える女性とエッチし、その場で死んで行くことで成立し、
妊娠した女性は1ヵ月後その女性の腹を割って 再生するもの。

・・・いやいや、なんとも凄い設定

生前、悩んだり、苦しんだりする剣豪達が、悶々としながらも転生する事を決意し、
転生後はヤケにあっさりとした性格の殺人マシーンとなってしまう。

そして、さらには柳生十兵衛 をも仲間に引き込もうとする。

魔界転生衆が、この柳生十兵衛 を生け捕りにしようと試み、戦いが始まる。
この魔界転生衆は殺戮鬼として生まれ変わっていて、1対1で 柳生十兵衛 と戦う事を楽しんでいる・・・。

それぞれの戦いの場面では、剣豪の1対1はナカナカの迫力。
刀と刀であったり、頭脳戦だったり、心理戦だったり といろいろ。
実際の父(柳生但馬守)との戦いも凄まじい。

阿部ちゃんが十兵衛で、タッキーが天草四郎 ってイメージで読み進んでいたよ。
時代劇あり、人情あり、ホラーあり、恋愛あり、エロチックあり・・・と盛りだくさん。
ストーリーは面白く、どんどん引き込まれる。
奇想天外荒唐無稽で、ありえねぇ~って話なんだけど、かなり面白かった。

昔大好きでほとんどの作品を読んでいた『夢枕獏』さんの作風に近い物を感じたよ。
上下2冊。かなりのボリュームだったけど、楽しく読めた。

魔界転生(上)―山田風太郎忍法帖〈6〉 (講談社文庫)

魔界転生(上)―山田風太郎忍法帖〈6〉 (講談社文庫)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/04
  • メディア: 文庫
魔界転生(下)―山田風太郎忍法帖〈7〉 (講談社文庫)

魔界転生(下)―山田風太郎忍法帖〈7〉 (講談社文庫)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/04
  • メディア: 文庫
ファイナルファンタジー等の絵を手がけた、天野喜孝氏の描く表紙もいい感じ。
(講談社文庫の方だね。角川文庫は別の表紙だよ。)

何が言いたかったこと?とか、主題は?とか考えないで、
全くのエンターテインメントだと思ったほうが数倍楽しめるよ。
また、別の作品読んで見たいね。

★★★★☆(5点満点で4点+ !!)


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